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「正史」と「四大奇書」

概要

「正史」とは、天子の伝記をしるした「本紀」と臣下の伝記をしるした「列伝」からなる紀伝体で書かれた歴史書のことで、王朝が交代すると前王朝の「正史」が国家事業として編纂されます。

「四大奇書」とは、明時代(1368―1661)頃に作られた四つの代表的な長編小説、『三国志演義』『西遊記』『水滸伝』『金瓶梅』のことをいい、宋時代(960―1279)以降、大都市の盛り場で行われていた「小説(短い物語を語る語り芸)」や「講史(歴史物語を語って聞かせる語り芸)」から発展したものといわれています。

「四大奇書」に登場する人物の多くが実在の人物で、「正史」に記載されています。その実在の人物が、「物語」の主人公として長い間盛り場などで語り継がれていくうちに、「物語」の内容は膨らみ、人物像や事跡が脚色され、「正史」の記述からは想像もできないほど大きな変化が生じ、「四大奇書」へと結実しました。

「正史」と「四大奇書」とを比べると、そこには講談師が聴衆を魅了しようと想像力を膨らませ、様々な工夫を凝らした跡を垣間見ることができるでしょう。

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