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22.太平記たいへいき

『太平記』は、後醍醐天皇(在位1318―39)の倒幕計画に始まり、鎌倉幕府の滅亡、建武新政、観応擾乱(かんのうのじょうらん 足利氏の内部抗争)を経て、細川頼之(ほそかわよりゆき)が管領となる(1367)まで、半世紀にわたる南北朝内乱期の歴史を描いた書。全40巻。成立に関わった人物として、小島法師、恵鎮(えちん)、玄恵(げんえ)らの名が知られていますが、作者は特定されず、成立は14世紀後半と推定されています。

『平家物語』の影響を受けた軍記物語であると同時に、動乱期の時代像・人間群像をあざやかに描いた『太平記』は、室町幕府草創期の壮大な歴史叙述として貴重であるばかりでなく、歴史物語の宝庫として、後世の芸能と文学に大きな影響を及ぼしました。

展示資料は、出雲国三沢(現・島根県奥出雲町)の住人、野尻慶景が、出雲大社の社家千家義広の所蔵本を天正6年(1578)に書写した「野尻本」と呼ばれる古写本。紅葉山文庫旧蔵。全41冊。

(請求番号:特100-0002)

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