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32.浅井久政同長政連署起請文あざいひさまさどうながまされんしょきしょうもん[朽木家古文書、重要文化財]
ここで取り上げた資料は、永禄11年(1568)12月12日付で近江国小谷城主浅井長政とその父久政から、朽木領主の朽木元綱に宛てて出された起請文で、浅井氏が朽木氏と明確な同盟関係を構築するために出したものです(『朽木家古文書』第33軸)。
ここで登場する浅井長政は、江戸幕府2代将軍秀忠の正室であるお江の父。起請文とは誓約書の一種で、前書と罰文(神文)から成り、前書には誓約の内容が記されています。ここでは、朽木の身分保障、新地1000石の承認、朽木方よりの人質の差し出し、朽木本領の承認、守護不入の承認などです。
罰文には誓約を破ると神罰・仏罰をこうむる旨が記され、さらに誓うべき神仏が列挙されます。罰文は牛王宝印(ごおうほういん)と呼ばれる厄除けの護符の裏に書かれていますが、ここでは熊野の那智大社のものが用いられ、八咫烏(やたがらす)の組み合わせで文字を形作っています。また、署名の上に血判を据えたものも多くあります。重要な契約は、このように起請文を取り交わし、神仏によって担保されるのが一般的でした。
(請求番号:特073-0001)
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