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21.謡本うたいぼん
源義経、弁慶、曾我兄弟など英雄たちの勇壮な活躍や悲劇は、平曲や幸若舞曲などの語り物だけでなく、室町時代に世阿弥によって大成された能でも、繰り返し演じられるようになります。物語は、読書(書物)にもまして芸能の力によって、人々の記憶に刻まれていきました。
「謡本」は、能の脚本である謡曲に節を付けて歌う謡のテキストのこと。収録されている147番(曲)のうちには、「敦盛」「実盛」「元服曾我」「夜討曾我」「安宅」など、『平家物語』『曾我物語』『義経記』などから題材を得た曲が含まれています。
展示資料は、江戸初期の写本で、全30冊。黒漆の地に金泥で葵の紋と藤の花を描いた美麗な箱の中の6段の抽出しに、5冊ずつ収められています。
(請求番号:特029-0001)
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