ここから本文

 1.古事記こじき

神代の創世神話から推古天皇(在位592―628)の時代までの歴史を記した書で、わが国現存最古の史書。『古事記』の編纂は、諸氏族に伝来する「帝記」(皇室の系譜や伝承)や「旧辞」(神話や説話、歌謡等)に誤りが多いことを憂慮した天武天皇(同673―686)が稗田阿礼(ひえだのあれ)に正しい記録を誦習させたのに始まります。天武天皇の死で事業は中断しましたが、その後、元明天皇(同707―715)の命で、稗田阿礼が誦習した内容を、太安万侶(おおのやすまろ)が筆録。和銅5年(712)にこれを進呈しました。

天地開闢に始まる神代の物語を記した上巻、神武天皇から応神天皇に至る中巻、仁徳天皇から推古天皇に至る下巻の3巻から成り、建国の由来と歴代の出来事や物語が記されています。

展示資料は、慶長19年(1614)写。徳川家康が慶長19年から翌年にかけて、公家や寺社が秘蔵する古書古記録を京都五山の僧侶に書写させた、いわゆる「慶長御写本」(以下、慶長写本)32部の一つで、神龍院梵舜(1553―1632)所蔵の『古事記』を書写したもの。将軍の書庫で、幕府の貴重文書庫でもあった紅葉山文庫(もみじやまぶんこ)の旧蔵。全3冊。

(請求番号:特058-0001)

写真をクリックすると拡大画像が表示されます

※写真をクリックすると拡大画像が表示されます

本文ここまで



ここからメニュー

古事記と六国史
幕府の歴史編纂
物語風の歴史
平家物語
太平記と太平記読
武力の世界
戦国の信仰
戦国の女性
歴史と物語
語られる戦国時代
「正史」と「四大奇書」
仁正寺藩主・市橋長昭と湯島聖堂献納本

メニューここまで


ページ上部へ


ページここまで