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9.新刊吾妻鏡しんかんあずまかがみ
徳川家康は、展示資料8の『吾妻鏡』を五十川了庵に貸与し、木製の活字を用いて出版させました。『新刊吾妻鏡』がそれで、慶長10年(1605)3月に京都伏見の円光寺で出版された「伏見版」と総称される古活字版の一つです。
円光寺では、慶長4年から11年にかけて、家康の命で『貞観政要』ほか7種の書籍が木活字で出版されましたが、五十川了庵が担当したのは『吾妻鏡』のみ。他の6種はいずれも漢籍で、円光寺の閑室元佶(かんしつげんきつ)が担当しました。『吾妻鏡』が和書で仮名まじり文のため、別種の活字を用いたのが、その理由。『太平記』を出版した実績がある了庵が選ばれたのでした。
展示資料は、内務省旧蔵。全26冊。
(請求番号:特128-0001)
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