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29.板倉勝重書状案いたくらかつしげしょじょうあん[朽木家古文書、重要文化財]

本資料は、『朽木家古文書』(説明は、展示資料28『近江守護(六角定頼)家年寄連署奉書案』解説参照)第38軸に所収されている、元和2年(1616)に京都所司代板倉勝重から朽木元綱(1549―1632)に対して出された書状案です。

この書状によると、京では女性や幼児が誘拐され人身売買が横行していたこと、先年にも同様の指令を出したこと、朽木領でも若狭国に向かう女性や15才以下の子供を連れた者がいたならば、尋問して不審な者は通さないようにとの指示がなされています。京都で誘拐した女性や子供を、若狭から船で全国へと連れ出す者達が存在したのでしょう。そのルート上に、朽木家の所領があり、取締が要請されていました。

戦国の戦場では黙認されていた誘拐や略奪。そういった行為を取り締まろうとしている所に、戦国から江戸時代への時代の変化がうかがい知れます。

(請求番号:特073-0001)

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