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57.癸辛雑識・続集きしんざっしき・ぞくしゅう
『癸辛雑識』は、南宋時代末期から元時代初めの文人である周密(1232―98)が撰述したものです。彼が見聞した数多の出来事を記載し、当時の社会状況を知る重要な資料となっています。
本書「続集」に、龔聖与「宋江三十六賛」という文章が引用されています。これは龔聖与という南宋末の画家が、当時語り継がれていた「宋江」ら36人の肖像画を描き、それに16字からなる賛(賞賛の言葉)を附したもの、それを周密が書き留めたものです。
龔聖与が描いた肖像画は失われてしまいましたが、36人の姓名とあだ名、各人の賛、全体の序文は周密の手によって残されました。実在の「宋江」から150年ほどのち、『水滸伝』の成立より250年ほど前の「宋江」一行の顔ぶれを伝える貴重な資料となっています。昌平坂学問所旧蔵『学津討原』(『癸辛雑識』続集は第185冊)。
(請求番号:371-0033)
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