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12.大日本史だいにほんし
江戸時代には、幕府だけでなく諸藩でも修史事業が行われました。その代表的なものが、水戸藩による『大日本史』の編纂です。水戸藩の2代藩主徳川光圀は、世子時代の明暦3年(1657)に史局(のちの彰考館)を開設して、国史の編纂事業に着手。記述内容や編集方針をめぐる幾多の論争を経て、明治39年(1906)に、神武天皇から後小松天皇(南北朝合一が成立したときの天皇)に至る歴史を漢文で叙述した『大日本史』402巻が完成しました。
六国史や『本朝通鑑』が編年体だったのに対して、『大日本史』は、紀伝体(歴代天皇の編年記録である「本紀」に主要人物の伝である「列伝」等を配した歴史叙述の形式)を採用しています。徳川光圀の史観を反映して、(1)神功皇后を本紀ではなく皇后列伝に入れ、(2)大友皇子の即位を認め、(3)南朝を正統とするなど、従来の史書と記述が異なることでも知られ、幕末の尊皇思想にも影響を与えました。
展示資料は、巻200までを収めた林家(大学頭)旧蔵の写本。全53冊。
(請求番号:138-0102)
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