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10.後鑑のちかがみ
鎌倉幕府の滅亡(1333)後、足利尊氏によって開かれた室町幕府(1336―1573)の歴史は、江戸幕府によって編纂されました。天保8年(1837)に奥儒者の成島筑山(名は良讓。筑山のほか稼堂などの号がある)が幕命を受けて編纂に着手。嘉永6年(1853)11月に374冊(347巻・首2巻・附録25巻)が進呈され、紅葉山文庫に収められました。
書名の「後鑑」は、『吾妻鏡』のあとを受けて編纂された歴史書の意味。尊氏の父の足利貞氏が没した元弘元年(1331)9月5日から最後の将軍足利義昭の子の足利義尋が没した慶長10年(1605)10月17日までの歴史が編年体で記され、「附録」には歴代将軍の逸事等が記されています。
筑山の没後、跡を継いだ成島柳北はさらに校訂を加え、万延元年(1860)10月に業を終え、これを進呈しました。その後、嘉永6年の進呈本は明治6年(1873)の皇居の火災で焼失。万延元年の進呈本も現存しません。
展示資料は、『後鑑』の初稿本で、全266冊。
(請求番号:特071-0001)
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