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18.義経記ぎけいき
源義経(1159―89)の波瀾に富んだ生涯を、義経伝悦や武蔵坊弁慶・静ほか周囲の人々の逸話を添えて描いた物語。全8巻。作者未詳。成立は室町時代と推定されています。
『平家物語』の記述と較べ、主人公である源義経が格段に美化され、『吾妻鏡』にわずかな記述しかなかった弁慶について、その生涯や人物像が詳細に記されているのも特色。一方、平家追討の場面はごく簡単な記述で済まされ、物語の後半はもっぱら英雄義経の没落と悲劇の叙述で占められています。
『義経記』が謡曲や幸若舞(展示資料20『舞の本』)・浄瑠璃・歌舞伎等の芸能や文学に及ぼした影響は大きく、「判官物」(ほうがんもの)と総称される演目や作品が多数生み出されました。
展示資料は、寛文10年(1670)刊。全8冊。紅葉山文庫旧蔵。
(請求番号:特044-0003)
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