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37. 判物証文写はんもつしょうもんうつし

紅葉山文庫の欠本を補充すると共に、必要な書籍を多数輸入して蔵書の充実を図った吉宗は、また駿河・甲斐・信濃・武蔵・相模・伊豆・遠江・三河、8か国の寺社や百姓町人が所蔵する古文書を調査し、その正確な写しを作成させました。

『判物証文写』は、元文元年(1736)に駿河国内(現・静岡県)の所蔵者から提出させた古文書の中から、吉宗みずから重要なものを選び出し、青木昆陽に命じて模写、編集させた古文書史料集。今川・武田・北条の各氏から発給された判物(花押がある文書)や朱印状など約470通が、所蔵者別に収録されています。模写は正確で、文書の保存状態や印の鮮明度まで付箋で注記。古文書調査の対象地域として先ず駿河国が選ばれたのは、家康との関係の深さからでしょう。

青木昆陽(1698-1769)、名は敦書(あつのり)、通称は文蔵。飢饉時の食糧としてサツマイモを栽培するよう唱えたことがきっかけで吉宗に登用され、享保20年(1735)からは古書古文書の調査を命ぜられました。10代将軍家治の時、明和4年(1767)に書物奉行を拝命。吉宗の命でオランダ語を学んだ、蘭学の草分け的人物でもあります。全10冊。

(請求番号:159-0219)

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