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2. 医林集要いりんしゅうよう

家康は政治や歴史の書ばかりでなく、医学書・薬学書も愛読しました。研究の熱心さは、みずから「万病散」「神効散」などの薬を製剤し服用するほど。没後、駿府城には家康が用いた多数の薬剤や製剤器具が残されていました。

『医林集要』は中国の医薬書。展示資料は紅葉山文庫旧蔵で、明の嘉靖8年(1529)刊。紅葉山文庫の貴重書について研究した近藤重蔵(資料解説48)は、家康が本書を参考に「八ノ字」(「八之滋」とも)という丸薬を作って服用した事実を述べ、したがって本書は家康の「御前本」(直接手に取って読んだ本)であると考証しています。「八ノ字」は『医林集要』所収の薬剤にオットセイを加えた補腎薬(滋養強壮剤)。ちなみに家康は、慶長15年(1610)4月、蝦夷福山城主松前慶広に海狗腎(オットセイ)を献上するよう命じています(翌月献上)。全20冊。

(請求番号:子258-0002)

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