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36. 式内染鑑しきないそめかがみ

古来の礼式や作法(有職故実)に興味を持ち、平安初期の年中行事や諸制度を記した『延喜式』を愛読していた吉宗は、同書の縫殿寮(衣服の裁縫などを司った役所)の項に記されている染色法を研究させ、忘れられた古代染色技術の復元を試みました。

作業は、小納戸の浦上直方と呉服師の後藤縫殿助を中心に、享保14年(1729)に江戸城の吹上庭園内に設けられた「染殿」(染色工房)で進められ、試行錯誤の末に多くの古色の染色に成功しました。

『式内染鑑』は、吹上の染殿で染色した色の実物見本帳。吉宗の治績や逸事を記した『有徳院殿御実紀附録』に「縫殿式の染色、半にすぎて染出しければ、この服色をあつめ帖とせられ、式内染鑑となづけて、後の証とせられしが」とあるように、吉宗の命で作成されました。

『式内染鑑』の原本は現存せず、展示資料は、松岡辰方(まつおかときかた 1764-1840 有職故実の大家)が作成した模写本をさらに写したものです。全1冊。甘露寺家旧蔵。

(請求番号:147-0449)

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