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印刷するには?17. 明状元図考みんじょうげんずこう
『明状元図考』は、明の洪武4年(1371)から万暦35年(1607)まで、科挙(官吏登用の資格試験)の最終試験である殿試に1番で合格した「状元」七十数名について、その出身地や逸事を記した書。あわせて「榜眼」「探花」(2番目、3番目の成績優秀者)、「会元」(殿試の前段階の会試の首席合格者)の詩文も紹介されています。
状元たちのエピソードは、子どもの頃の神童ぶりや受験前に見た夢の話など、読み物として興味深く、それぞれに挿絵も添えられています。明の万暦年間の刊。
吉宗は享保8年5月28日にこの本を借り出していますが、この年は「足高(たしだか)の制」(優秀な人材を登用するために、家禄が役高に達しない場合は幕府が不足高を出す制度)が定められた年であり、人材登用の先例として中国の科挙制度に関心を抱いたのかもしれません。
展示資料は、吉宗がみずから手にしたと思われる『明状元図考』。全5冊。紅葉山文庫旧蔵。
(請求番号:子193-0005)
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