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7. 貞観政要(伏見版)じょうがんせいよう

『貞観政要』は、7世紀前半の「貞観の治」で知られる唐代の皇帝太宗が、群臣と交わした政治論議を40編に分類した書。唐の呉兢著。中国では為政者の教科書として読み継がれ、わが国でも、鎌倉時代から将軍の必読書とされました。家康もまた熱心な読者で、天下統一後にふさわしい政治の実現のため、本書を座右に置いて熟読、研究していたと伝えられています。

家康は、本書など有用な書物が広く読まれるように、臨済宗の僧侶で足利学校の校長を務めた閑室元佶(かんしつげんきつ 1548-1612)に木活字10万個を与えて出版を命じました。慶長4年(1599)刊『孔子家語』(こうしけご)『六韜』『三略』から、同11年刊の『七書』まで。これらの出版物は、閑室元佶が伏見の円光寺の開山となったことから、伏見版(円光寺版とも)と呼ばれています。

展示資料は、慶長5年(1600)2月、関ヶ原の戦いの7か月前に出版された伏見版『貞観政要』。緊迫した状況下での出版には、政治的な意図も感じられます。全8冊。林羅山旧蔵。

(請求番号:別025-0003)

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