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25. 新修南昌府志しんしゅうなんしょうふし

『元亨療馬集』に限らず、吉宗は、制度・法制・天文・医学など、さまざまな分野の書籍を中国から取り寄せ、施政の参考資料とし、あわせて紅葉山文庫(将軍のアーカイブズ)の充実を図りました。

なかでも意欲的に取り寄せたのは、中国の地方志(府州県志)の類。中国各地の地理・歴史・物産・統計ほか多彩な情報を載せた地誌で、吉宗は、これらをわが国の物産開発等の資料として収集しました。その結果、江戸後期に収集された分を含め、紅葉山文庫には中国の地方志が多数揃い、同文庫を引き継いだ当館にも、700部以上が現存しています。

展示資料の『新修南昌府志』は、万暦16年(1588)に刊行された、江西省南昌府の最古の地誌。享保6年(1721)に加賀国金沢藩主の前田綱紀(つなのり)から献上された明代の府志13部の一つです。これら前田家献上本が、吉宗の中国地志収集を促しました。本書は中国では失われ、唯一展示資料のみ現存。全12冊。紅葉山文庫旧蔵。

(請求番号:史144-0009)

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