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30. 棠蔭秘鑑とういんひかん

中国および日本古代の制度・法典の研究を心がけた吉宗の関心は、幕府の法典整備に向けられていました。幕府はそれまで成文化した法典を制定せず、折々に発する単行法令や慣習法、判例等によって事を処理していました。しかしこれでは複雑化する社会と犯罪に対応できない。そう考えて寛保2年(1742)に制定されたのが「公事方御定書」(くじかたおさだめがき 御定書とも)です。

「御定書」は上下2巻から成り、上巻には81通の重要法令、下巻には刑罰規定など103条が収録され、下巻は俗に「御定書百箇条」と呼ばれました。

『棠蔭秘鑑』は、天保12年(1841)に勘定所で作成した「公事方御定書」の校正本。「公事方御定書」は三奉行(寺社奉行・町奉行・勘定奉行)など限られた役職以外は閲覧を禁じられた“秘密法典”であったため、担当者の間で密かに写本が作られていましたが、写本には誤りも多く、信頼できる写本の必要から本書が作成されました。全4冊。内務省旧蔵。

(請求番号:181-0089)

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