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59. 老之教随筆おいのおしえ

松平定信が、文政12年(1829)正月に記した老いの戒め。老後の交際や健康法・趣味・学問そして性生活等について、自らの経験を紹介しながら、より良い老後の過ごし方を示唆しています。

締めくくりの文章は「只万事に接しあふ事に はや六十なり七十なりと言事をかつて忘るへからす 愉快の事にあハゝ猶よく思ひ出すへし 摂生養老の要(かなめ)也」。60歳を過ぎたら、いかなる場合も年齢を忘れて無理をしてはいけないという意味でしょう。おのれの老いをしっかり自覚することこそ養生の基本であると喝破した定信(楽翁)が72歳で大往生を遂げたのは、この文章を記したわずか4ヶ月後のことでした。

展示資料は、江戸時代末期の旗本宮崎成身の雑録『視聴草』(みききぐさ 全176冊)の続5集の4所収のもの。

(請求番号:217-0034)

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