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7. 微妙公御夜話みみょうこうおんやわ

加賀国金沢藩主前田利常(まえだとしつね 1593―1658)の言行録。

金沢藩士の山本基庸が従来の言行録に洩れた利常の逸事を85ヶ条にわたって収録した書で、享保9年(1724)成立。亡父ほか利常に仕えた人々の証言などが、語り手の名を明記して紹介されています。

前田利常は、藩祖前田利家の四男。慶長10年(1605)に3代藩主となり、寛永16年(1639)に隠居して居を小松城に移しますが、正保2年(1645)に孫の綱紀が3歳で藩主になると、幕府からその後見を命じられました。万治元年(1658)没。享年66歳。微妙院は院号。

後見時代に施行した「改作仕法」は、農政と税制の大改革で、これによって藩の財政基盤が確立されました。本書に収録された逸事から、政治的手腕にすぐれていたばかりでなくユーモアの才にも恵まれた利常の実像がうかがえます。

展示資料は、昌平坂学問所旧蔵。全3冊。毎冊末葉に「慶応乙丑」の小形朱印が押されており、慶応元年(1865)に昌平坂学問所に収蔵されたことがわかります。

(請求番号:159-0026)

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