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52. 古今名物類聚茶の湯ほかここんめいぶつるいじゅう

出雲国松江藩主松平治郷(まつだいらはるさと 1751―1818)が、陶斎尚古老人の名で著した、由緒ある逸品(名物)茶道具の色刷り絵入り解説集。天明7年(1787)の「凡例」があることから、同年の成立。寛政元年(1789)から3年にかけて江戸の須原屋から刊行されました。

治郷は「凡例」で、本書に掲載されなかった名物茶道具の所蔵者たちに、所蔵する逸品の名を不朽にし全国の茶人たちと楽しみを分かち合うためにも、積極的に資料(図や寸法)を提供するよう呼びかけています。「名物は天下古今の名物にて、一人一家一世の名物ならねば…」。茶の湯の名物道具は後世に伝えるべき歴史的文化財であり、個人や特定の家に死蔵されてはならないというのです。

松平治郷は、明和4年(1767)に17歳で松江藩(18万6,000石)の藩主となり、家老朝日茂保の補佐を得て藩政改革を推進。冗費節約や治水、殖産興業によって藩財政を立て直しました。すぐれた茶人でもあった治郷は、石州流不昧派を起こしたことでも知られています。文化3年(1806)に56歳で隠居。剃髪して不昧と称し、茶と禅に遊ぶ悠々自適の老後を過ごし、文政元年(1818)に68歳で没しました。

展示資料は、「三枝家蔵」の蔵書印がある明治10年(1877)の内務省図書局購入本。全18冊。

(請求番号:199-0350)

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