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40. 本草通串証図本草・博物学ほんぞうつうかんしょうず

越中国富山藩の老公前田利保(まえだとしやす 1800―59)の命で作成された植物図譜。

子どもの頃から植物好きで、江戸藩邸に200種をこえるアサガオを栽培していた利保は、本草学者の岩崎灌園に師事し、また同好の士と「赭鞭会」(しゃべんかい)と称する研究会を結成して本草学・博物学の知識を深めました。

利保はその成果を『本草通串』(94巻56冊)として出版。しかし同書は、漢文で書かれていたうえ図版を欠いていたため、実物の植物と照らし合わすことができず、その不備を補うために本書が出版されました。嘉永6年(1853)序。植物図は藩の絵師である山下守胤らによって描かれ、仮名交じりの平易な解説が添えられています。

前田利保は、天保6年(1835)に富山藩主(10万石)となり、弘化3年(1846)に47歳で隠居。安政6年(1859)に60歳で没しました。号は恋花亭、自知春館ほか。熊本藩主細川重賢、鹿児島藩主島津重豪、福岡藩主黒田斉清(なりきよ)らとともに江戸後期の代表的な“殿さま博物学者”として知られています。

展示資料は、農商務省旧蔵。全2冊。当館は全5巻のうち巻1巻2のみを所蔵。5巻5冊本は、現在富山県立図書館、東洋文庫などが所蔵しています。

(請求番号:196-0133)

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