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50.御軍艦所之留ごぐんかんしょのとめ

横須賀の製鉄所(造船所)は、機械その他をヨーロッパから輸入して建設されたため、幕府は巨額の出費を迫られました。しかしそれでも購入費が不足する場合があったようです。

御軍艦所之留』の展示箇所は、製鉄所首長(所長)ヴェルニーから製鉄所掛(かかり)の若年寄立花出雲守種恭(たちばないずものかみたねゆき)へあてた手紙。手紙のなかで、ヴェルニーはこう述べています。−代金不足のためフランスでの支払いが滞り、機械の購入に支障をきたしている。支払いが滞ると納付業者に多額の利子を払わなければならないばかりか、信用も失ってしまう。今後、日本(幕府)はパリかロンドンの銀行に口座を設け、「フロリヘラル」(フルーリ=エラール 幕府が任命したパリ在住の代理人)に相当の金額を振り込んで置くべきである−。

立花は、同じく製鉄所掛の勘定奉行小栗上野介(忠順)に詳しい調査を命じ、その結果幕府は、製鉄所臨時購入物品の代金を、あらかじめ「フロリヘラル」に振り込むことになります。全2冊。

御軍艦所之留

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