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13.外蕃容貌図画がいばんようぼうずえ

当時のわが国では、容貌や衣装から外国人の国籍を判別するなど思いも寄らないことでした。蒸気船で世界中を航海し各地の人種や風俗に通じている西欧の人々と比べ、島国に安閑と引きこもる日本人の海外知識のなんと貧しいことか。著者は未詳ですが(田川春道とも)、外国人を見れば中国人も西洋人もおしなべて「唐人(とうじん)」と呼ぶ日本人を啓蒙しようというのが『外蕃容貌図画』執筆の動機だったということです。亜細亜・欧邏巴(ヨーロッパ)・亜仏利加(アフリカ)そして南北亜墨利加(南北アメリカ)、五大州各地の人々の姿が、それぞれの国民性や気候等を記した解説を添えて描かれています。

嘉永7年(1854)刊。全2冊。フランス、イタリア国民が平服の男女の姿で描かれているのに対して、ロシア人やアメリカ人が軍服姿なのは、刊行当時の事情を反映したものでしょうか。

外蕃容貌図画

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