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34.万国公法ばんこくこうほう

西周フィッセリングの万国公法(国際法)を紹介するより早く、幕府(開成所)は別の経路から万国公法の文献を入手していました。中国で同治3年(1864)に『万国公法』が出版されると、直ちにこれを取り寄せ、翌年(慶応元年)、忠実に覆刻し、返り点や人名・地名の読み仮名を補って出版したのです。新刊本は将軍家茂に進献されたのち、江戸の書店を通して販売されました。

『万国公法』は、へンリー・ホウィートンが著した原書を、北京で活動していたアメリカ人宣教師のマーチンが漢訳したもの。万国公法というインターナショナル・ロウの訳語もマーチンによって造られました。

どうして万国公法が当時これほど大きな関心を集めたのか。西洋列国と政治・経済面で交渉を重ねながら厳しい国際社会の海に乗り出していかなければならなかった幕末日本の不安と希望が、万国公法に対する知的需要を高めたと思われます。そういえば、坂本龍馬もまた『万国公法』の熱心な読者の一人でした。全6冊。

万国公法

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