激動幕末 −開国の衝撃−トップへ

ここから本文

19.文鳳堂雑纂ぶんぽうどうざっさん

嘉永7年(1854)1月、国書への回答を求めて再びペリーの艦隊が来航すると、彦根・会津・岡山・熊本ほか各藩が江戸湾の海岸警備に出動し、江戸の町にも衝撃がはしりました。そんななか、黒船と台場の大砲をオモチャ仕立てにした一枚刷りが作られ、大ヒットしました。江戸で本屋を営む山城屋忠兵衛(やましろやちゅうべえ)が珍しい話や資料を集めた『文鳳堂雑纂』に、その実物が貼り付けられ、仕掛けなどが記されています。

本所表町達磨横町の住人甚兵衛(じんべえ)が工夫(考案)したその仕掛けとは・・・。半紙の四つ切に黒船と台場の大砲が印刷され、大砲の口に線香で火をつけると、火は白漆が塗られた弾道を通って黒船に至る。すると船に貼られたドンドロ(音を出す花火)が「パッチリ」と音を出す、というもの。これは面白いと大名屋敷で売れ始め、やがて江戸中で評判になり、1日で4,000枚も売れたとか。元値(原価)は2文。これを10文で卸し16文で小売されたということです。『文鳳堂雑纂』は全117冊。

文鳳堂雑纂

ボタンをクリックすると資料画像が表示されます

本文ここまで




ページここまで