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清俗紀聞(しんぞくきぶん)

[請求番号 184-0327・292-0017]

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中川忠英(なかがわただてる)(1753-1830)

中川忠英は、長崎奉行在任中(1795-97)に配下の近藤重蔵(長崎奉行手附出役)らを長崎に滞在する清国商人のもとに派遣し、中国の年中行事や日常生活について詳しい聞き取り調査を行いました(通訳は長崎の唐通事が担当)。

なぜこのような調査が行われたのか。理由は、日本と中国(清)の貿易を管理する長崎奉行所は、中国人の生活や文化を十分理解する必要があると考えたからです。調査の結果は、絵師の石崎融思らによる挿絵を添えて、寛政11年(1799)に出版されました。展示資料は幕府への献上本で、初版本に手書きで彩色が施されています。

本書の構成は、年中行事・居家・冠服・飲食・閭学・生誕・冠礼・婚礼・賓客・羇旅行李・葬礼・祭礼・僧侶の13巻から成り、全6冊。清の風俗といっても中国南部の風俗や文物に偏っているのは、当時長崎に滞在していたのが、福建や浙江など南部の中国人だったからです。

参考に展示した『松江府志』は、上海県を含む松江府の地誌。康煕2年(1663)の序がある刊本で全24冊。「中川家蔵書印」の蔵書印があり、中川忠英の蔵書だったことがわかります。のちに文政庚寅(文政13年・1830)に昌平坂学問所の蔵書となりました。


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