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満文強解(まんぶんきょうかい)

[請求番号 185-0283・278-0115]

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高橋景保(たかはしかげやす)(1785-1829)

『満文強解』は、『魯西亜国呈書満文訓訳強解』とも。文化元年(1804)に通商を求めて長崎に来航したロシアの使節レザーノフが長崎奉行に呈した、満州語(清朝を建てた満州族の言語)で書かれた国書の写しを、高橋景保が訳したものです。

当時わが国には満州語を解読できる人はおらず、文化5年(1808)に翻訳を命じられた景保は、紅葉山文庫所蔵の『御製増訂清文鑑』(17世紀の末に中国で出版された満州語の辞書)を唯一の参考書に研究に出精し、2年後の文化7年(1810)に翻訳を完成させました。満州語の国書の全文を細かく分割し、右側に漢訳、左側に満州語の発音を朱のカタカナで記し、『御製増訂清文鑑』に見えない語については、その意味を推測(「強解」)。最後に国書全体を訳しています。展示資料は、景保の自筆本で、昌平坂学問所旧蔵。全1冊。

参考に展示した『御製増訂清文鑑』は、景保に貸し与えられた紅葉山文庫本ではなく、景保の私蔵本。景保の蔵書印「求己文庫」が捺されています。ロシア国書の翻訳完成後も満州語の研究を続けた彼が、不可欠の参考書として入手したものと思われ、満州語の漢訳の右側にカタカナで日本語の意味など、多くの書き込みがあります。昌平坂学問所旧蔵。全49冊。


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