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足袋願・杖願(多聞櫓文書)(たびねがい・つえねがい)

[請求番号 多013870・多029407]

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旗本も御家人も生身の人間。持病や体調不全で出勤が困難になることも珍しくありませんでした。それでも症状が軽微な場合は無理をしても出勤するのが幕臣の心得で、そんな幕臣たちのために幕府はいくつかの特例を設けていました。足袋の着用と杖の使用はその代表的なものです(他に乗輿による出勤の許可も)。

夏の間、幕臣は江戸城内では足袋を履かない定めになっていましたが、症状を明記して願書を出せば着用が認められ、同様に、城内での杖の使用も許可されるという具合です(これは夏季に限らず)。

展示資料は、寄合(禄高3,000石以上で非職の旗本)の中根恵三郎から3月25日(年は未詳)に提出された「足袋願」の「扣(ひかえ)」。「下冷」するので体調が悪いときは夏でも足袋を履きたいという願書です。もう一点は国領鍬五郎(腰物方)が某年4月に出した「杖願書」。「足痛」の持病があるので、症状が重い日は晴雨に限らず城内で杖を用いたいと記されています。


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