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学問吟味(多聞櫓文書)(がくもんぎんみ)

[請求番号 多042949・多032211]

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素読吟味が初級者の学力試験だとすれば、同じ昌平坂学問所で数年に一度行われる学問吟味(学試、科場とも)は、上級者の試験と言えます。

学問吟味は初場(予備試験)と本試(本試験)に分かれ、「初場」で四書五経や小学の試験を行い、合格者が「本試」に進み、「経義科」「歴史科」「文章科」の試験を受けました。試験は数日間にわたり、成績優秀者には褒美が下賜されました。

学問吟味が寛政の改革の一環として最初に実施されたのは、寛政4年(1792)。同6年に第2回が行われ、御目見以上(旗本)では遠山金四郎景晋(のちに勘定奉行。町奉行“遠山の金さん”の父)、御目見以下では大田直次郎(戯作者・文人として名高い大田南畝)や近藤重蔵らが受験し、優秀な成績で褒賞されています。

展示資料の「御留守居支配勘右衛門次孫承祖岡本二カ学問吟味応試ニ付学問書上」は、慶応3年(1867)、旗本岡本二カ(20歳)が学問吟味を受験するに際して担当の目付に提出したもの。「学問吟味の短冊」と呼ばれる文書で、これまでの学歴や先生の名、受験する書籍名などが記されています。

もうひとつの「外国惣奉行図書頭惣領平山城之助学問吟味応試ニ付学問書上」は、同じく慶応3年のもの。受験者の平山城之助(16歳)の父は、外国惣奉行の平山図書頭敬忠。


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