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看病休暇(多聞櫓文書)

[請求番号 多023626]

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病に罹るのは、出勤する幕臣本人だけではありません。父母や妻子など家族が重い病に倒れたときは、看病や介護のために休暇を申請できる制度がもうけられていました。「看病断(かんびょうことわり)」と呼ばれるもので、「看病断」の文書を提出することで、父母や祖父母が病気のときばかりでなく、妻や子どもが重病のときも、一定期間出勤を免除され、病人の看病に専念することができたのです。このほか、遠隔地にいる父母の病が重篤な場合は、許可を得て看病に出かけたケースもすくなくありません。

展示資料の「御留守居支配勤仕並酒井友之輔儀父為看病御暇申渡候御届」は、酒井友之輔が養父の看病のため江戸を出立するのを許可した旨を、友之輔が属する留守居が届けた文書。友之輔は、本家の酒井左衛門尉(出羽国庄内藩主酒井忠篤)の在所(鶴岡城下)で危篤状態となっている養父の看病のため、同地に旅立ちました。ちなみにこの文書が作成された「辰三月」は、慶応4年(1868)3月。討幕軍が江戸入城する前の月です。


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