ここから本文
目次
長禄元年(1457)太田道灌(おおたどうかん)によって築かれた江戸城。天正18年(1590)年徳川家康が江戸城を居城と定め、慶長8年(1603)に征夷大将軍に任ぜられ幕府を開いて以来、江戸は日本の政治の中心となりました。江戸時代中期以降は、経済・文化面においても、めざましい発展を遂げます。
明治改元の直前、江戸は東京と改められました。明治天皇の東京行幸後、次第に「首都」として成長していきます。ただし、東京への「遷都」が正式に発表されたことはありませんでした。大正12年に発生した関東大震災で東京は壊滅的打撃を受けます。「遷都論」さえ飛び出しましたが、「東京は帝国の首都」であると宣言され、急速に復興を遂げます。
戦時中、東京は東京都制という特別の制度の下に置かれますが、戦後、日本国憲法・地方自治法の施行により、「普通地方公共団体」として東京都は再出発。その後も、「首都圏」を形成するほどに発展をつづけています。
- 1.大久保利通の大坂遷都論太00013100
- 2.町奉行を廃止し市政裁判所を設置太00016100
- 3.江戸を東京と定める太00001100
- 4.東京府を設置太00062100
- 5.江戸城を皇居と定め東京城と改称太00050100
- 6.公議所設置の布告太00021100
- 7.太政官の東京移転を決定太00023100
- 8.明治天皇、東京へ再び行幸太00051100
- 9.全国を3府73県に公00468100
- 10.東京警視庁を設置太00240100
- 11.『明治東京全図』177-0506
- 12.東京府に15区を設置太00624100
- 13.市制・町村制御00178100
- 14.東京市に市制の特例を適用類00386100
- 15.北海道上川郡に「離宮」設置類00459100
- 16.帝都復興に関する詔書御14039100
- 17.東京都制類02671100
- 18.地方自治法類03042100
- 19.首都建設法類03464100
- 20.首都圏整備法御36672100
東京は、江戸から呼び名が変わった途端に、近代国家日本の「首都」として一挙に変貌を遂げたわけではありません。明治時代の東京では、明治以前の江戸の枠内で、政府の官庁が設置され、馬車・人力車・鉄道などの新しい交通機関が誕生し、公園が開設されました。明治時代後半に実施された「市区改正」でも、主に江戸時代以来の既成市街地の改造が行われました。そのような中で、特筆すべきは、三多摩の東京府への編入でしょうか。
- 21.新橋・横浜間鉄道図附A00005100
- 22.馬車・荷車の「四大橋」通行を許可太00400100
- 23.東京両国橋写真附A00038100
- 24.東京吾妻橋写真附A00094100
- 25.馬車鉄道の設置を認可公02892100
- 26.内国勧業博覧会の開催について公01859100
- 27.東京上野公園地実測図附A00136100
- 28.太政官庁舎の新築図附A00128100
- 29.明治12年の市街掃除規則単01304100
- 30.東京地方衛生会規則太00707100
- 31.芳川顕正東京府知事の「市区改正」意見書公03711100
- 32.東京市区改正条例の制定類00380100
- 33.渋沢栄一・益田孝を市区改正臨時委員に任命任A00264100
- 34.東京の上水道計画を認可類00513100
- 35.三多摩を東京府に編入類00631100
- 36.荒川改修工事も早期完成を求める請願纂01415100
明治時代の終わりから大正時代の初めにかけて、都市への人口集中や都市の膨張は、東京だけの問題ではなくなります。そのような状況に対する対応の一つが、都市計画法の制定です。都市計画法に基づいて「東京都市計画区域」が決定されますが、これが現在の「東京23区」の原型となっています。
関東大震災後の「帝都復興」。後藤新平内務大臣兼帝都復興院総裁の壮大なプランは、縮小に縮小を重ねることを余儀なくされましたが、それでもなお、「帝都復興」の成果は極めて大きなものでした。
- 37.東京市区改正条例を大阪市等にも準用類01268100
- 38.都市計画法と市街地建築法を制定類01299100
- 39.『大正大震災誌』ヨ369-0026
- 40.『大正震災志』ヨ369-0036
- 41.臨時震災救護事務局を設置類01456100
- 42.帝都復興に関する根本方針別00231100
- 43.帝都復興審議会を設置類01455100
- 44.帝都復興審議会に初めて諮問資00072100
- 45.後藤新平内務大臣を帝都復興院総裁に任命別00222100
- 46.帝都復興計画案の大綱類01483100
- 47.「帝都復興」期の街路計画図附B01006100
- 48.神田駿河台付近の街路新設改修計画を変更附B01014100
- 49.東京に商業・工業・住居地域等を指定附B02002100
- 50.全国初の「美観地区」指定纂02058100
- 51.東京港の国際港化に反対する意見書東北00201100
- 52.東京港を国際港として開港類02536100
- 53.砧・小金井・舎人などの緑地計画を決定纂02580100
東京は戦時中の空襲により壊滅的打撃をこうむりました。被害状況について確定的な数字はありませんが、死者・行方不明者は10万人以上、全滅・全焼家屋は約70万〜80万戸にのぼると考えられています。被害は、特に区部(35区)に集中していたと見られ、昭和15年(1940)10月の国勢調査で約670万人に達していた区部人口は、昭和20年(1945)11月の人口調査で約270万人に激減していました。
終戦後は、早くから復興の努力が重ねられ、東京は再び「首都」として巨大都市への道を歩みはじめます。高度成長や「首都圏」整備、東京オリンピック開催決定などの時代の流れのなかで、新宿副都心や首都高速道路の建設、地下鉄道網の拡充などが強力に推し進められました。
- 54.戦災復興院の設置類02895100
- 55.戦災地復興計画基本方針を決定類02950100
- 56.戦災復興のために特別都市計画法を制定類03028100
- 57.町村合併促進法類03800100
- 58.東京都府中市の誕生昭51自治00160100
- 59.東京都調布市の誕生昭51自治00161100
- 60.新宿副都心計画事業の推進昭53建設87600040
- 61.城北地帯工業用水道の緊急整備について昭63通産00031100
- 62.首都高速道路計画の検討について昭53建設38600060
- 63.放射第18号関係などの埋め立て竣功昭62運輸00036100
- 64.「枝川8号埋立地」の設計変更昭62運輸00024100
- 65.巣鴨書庫前〜志村橋間「都電」の廃止昭48建設83100020
- 66.東京モノレールの運行開始平12運輸02599100
- 67.上野公園〜今井橋無軌条電車の工事許可平12運輸00401100
- 68.上野公園〜今井間無軌条電車の廃止平12運輸0274110
- 69.都市計画法御43763100
- ※
- 「当時の東京」で掲載した地図は、鈴木理生『江戸・東京の地理と地名』(日本実業出版社、2006年)と正井泰夫監修『図説歴史で読み解く!東京の地理』(青春出版社、2011年)を参考に作成いたしました。