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32.公務員の日常業務 ―職務記述書

人事院から移管された文書に、「職務記述書」という資料群があります。戦後の公務員制度改革にあたり、国家公務員法(昭和22法律120)において「職階制」が導入されることになりました。新給与体系の確立のため模索された制度であり、アメリカで採用されていたPosition-classification Planを参考にしながら職階制についての調査が進められました。

その結果、昭和25年(1950)に「国家公務員の職階制に関する法律」(職階法)が制定され、職種や業務の複雑さ、責任等によって官職を分類することになりました。こうした分類作業は「格付」と呼ばれ、格付のために必要な書類として、公務員個人の日常業務を各自がありのままに記録した「職務記述書」の提出が求められました。様々な職種があるこれらの「格付用職務記述書」のうち、昭和26年に作成された(1)東京大学史料編纂所の「史料研究」と、(2)海上保安庁の「吹奏楽」を展示します。

(1)東京大学史料編纂所の綴りからは、当時編纂所に勤務していた歴史学者たちの研究テーマや、研究活動の様子が読み取れます。(2)当時の海上保安庁音楽隊(のち、海上自衛隊音楽隊)は発足間もない時期で、高山実(1907-1964)は初代隊長にあたる人物です。

ところで、結果的に職階制は実施に至りませんでした。先に紹介した「国家公務員の職階制に関する法律」は人事院規則を「暫定」として読み替えることで適用し、平成19年(2007)の国家公務員法の一部改正によって廃止されました。

(1)格付用職務記述書・学芸・史料研究
(2)格付用職務記述書・学芸・吹奏楽

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