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2.北海道産樹木見本
開拓使から太政官に明治6年(1873)9月19日付けで送られた「北海道札幌近傍樹木品類名書」です。附属資料として、別冊で木片一覧(「北海道産樹木見本」)が添えられています。樹木品類名書には、ひとつの樹木につき「本名」(漢字)・「和名」(読み)・「北海道方言」(アイヌ語)の三種が記されており、北海道地方における独自の呼び方をうかがうことができます。
明治2年に北方開拓のために置かれた開拓使は、同15年まで存続し、その後北海道には札幌・函館・根室の三県が置かれました。この間、山林保護政策の一貫として、開拓使は、イチイ・ハリギリ・エンジュなどの木材の伐木を禁止しました。
また、開拓使御雇教師頭取兼開拓顧問のホーレス・ケプロンによる明治4年の建言に基づき、明治12年に開拓使函館仮博物場が設けられ、北海道物産の収集・展示や博覧会出品物の調整などが行われました。
この樹木品類名書がどのような目的で太政官に提出されたのか、文書からはわかりませんが、明治10年に東京で開催された第一回内国勧業博覧会における開拓使出品物と突き合わせてみると、本資料で紹介されている樹木とその大部分が重複しています。
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