ここから本文
江戸城御殿内の襖(ふすま)等には鮮やかな図(障壁画)が描かれていました。展示資料は、天保15年(1844)5月に全焼し、弘化2年(1845)2月に再建成った本丸御殿のうち、大奥新御殿、表向の虎之間、同じく白書院帝鑑間(ていかんのま)の襖や長押(なげし)上に描かれた障壁画の縮図です。資料名の「柳営」は将軍の陣営、すなわち幕府のこと。
大奥新御殿の「御休息」(休息の間)には、京都の知恩院や祇園社などの名所図。同じく新御殿の「上段」(上段の間)・「下段」(下段の間)・「御入側」(畳敷きの廊下、縁座敷)には春夏秋冬の景色が描かれていました。書院番(幕府の武官のひとつ)が詰める虎之間には虎の図が、また幕府の重要な儀礼が行われる白書院の帝鑑間(ていかんのま)には、中国古代のすぐれた帝王の故事が描かれています。絵師は狩野晴雪(永悳立信)ほか。
展示資料は、内務省旧蔵。全3軸。
本文ここまで