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[請求番号 ヨ342-0022B]

吹塵録(すいじんろく)

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勝海舟は、早くから古い書物を写し古老の話を聞き書きするなど記録の収集と保存に意欲的な人でした。

長年にわたって書写した幕府の記録類(公文書)や私記(私文書)、随筆、談話の類をまとめたのが『吹塵録』。明治17年(1884)にその草稿を見た松方正義(まつかた・まさよし 1835-1924)の尽力で、同20年に大蔵省から編集費用が支給されることになり、同年末に完成。同23年(1890)に大蔵省から『吹塵余録』と合わせて刊行されました。冒頭、大蔵大臣官房の名で、「本省先キニ幕府財政ノ実況ヲ記スルノ書ナキニ苦ミ之ヲ勝伯ニ謀ル伯為メニ此書ヲ編シ名ツケテ吹塵録ト曰フ」と、本書刊行の趣旨が述べられています。

収録されているのは、貨幣・鉱山・人口・治水・社寺・皇室・災害・蝦夷地等の史料および関係法令などで、幕府の財政経済史料集として貴重です。本書の編纂には、勘定所等で実務を担当した旧幕臣十数人が協力しました。『吹塵録』『吹塵余録』で全45冊。書名は、中国の伝説的帝王黄帝(こうてい)の「吹塵の夢」の故事(大風が天下の塵垢を払う夢を見て風后という賢相を得た話)に因んでいます。

展示資料は、合冊本で全3冊。


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