ここから本文
岩倉具視(いわくら・ともみ 右大臣)を特命全権大使とする遣欧米使節に随行した福地源一郎(一等書記官)は、明治6年(1873)2月9日、滞在中のパリで、希臘(ギリシャ)・土耳其(トルコ)・阨日多(エジプト)3国における外国人裁判の実地調査を命じられます。田辺太一(たなべ・たいち 旧幕臣で一等書記官)の建議によるもので、幕府が欧米諸国と結んだ条約中の治外法権の改正のために必要であるというのが調査の理由でした。
福地は、使節団と別行動を取って、ギリシャ・トルコ・エジプトを回って調査を行い、同年4月16日に英国郵船でエジプトを発ち、7月16日に帰国しました。 『外国人立合裁判報告』は、帰国翌日、上野景範(うえの・かげのり 外務少輔)に提出した復命報告。「外国人立合裁判」は、国内で外国人を裁く際に、本国人と外国人双方が立合う裁判のこと。
展示資料は、外務省旧蔵。全1冊。
本文ここまで