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老中以下、江戸幕府の各役職の職掌や沿革などを記した書。文化11年(1814)の著者の序があり、同年の成立。幕府の多彩な職制の全体像を、随所に興味ぶかい話を交えて紹介し、あわせてそれぞれの役職の昇進先なども記されています。
著者は蜻洲無学山人(せいしゅうむがくさんじん)と称して実名を伏せていますが、その正体は小田原藩士の山形彦左衛門豊寛であると言われています。山形は先に『仕官格義弁略』2巻を著し、本書はそれを7編7巻に増補したもの。なお旗本の大谷木醇堂(おおやぎ・じゅんどう)が明治になって著した『醇堂叢稿』によれば、山形は、のちに別の著書(『公侯凞績』)の内容が幕府に咎められ、浪人として生涯を閉じたとか。
展示資料は、幕府の学問所である昌平坂学問所の旧蔵。全7冊。
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