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幕府の役職と在職者に関するさまざまな情報は、須原屋(すわらや)や出雲寺(いずもじ)など民間の本屋が出版した「武鑑」と呼ばれる武家名鑑によっても知ることができます。
『新板改正弘化武鑑』は、弘化4年(1847)刊。全4冊4巻。巻1と巻2に大名、巻3に大老以下幕府の諸役人(絵師、御用達町人、能役者等まで含む)、巻4に西丸勤務のゥ役人を掲載。本書の巻3には、遠山景元(とおやま・かげもと 町奉行)、川路聖謨(かわじ・としあきら 奈良奉行)、男谷精一郎(おだに・せいいちろう 徒頭)など著名な旗本の名が見えます。
出版者の出雲寺万次郎は、幕府の御用達町人(書物師)を務める老舗出雲寺の当主。出雲寺は幕府の書物方に属し、紅葉山文庫(将軍の文庫)の運営や昌平坂学問所の編纂物の出版にもたずさわりました。
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