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江戸の武家屋敷の配置や沿革は、文化5年(1808)から安政5年(1858)にかけて(ただし20年間の中断あり)、幕府の「普請方(ふしんかた)」が作成した『御府内沿革図書』(ごふないえんかくずしょ)に詳しく記されています。
17世紀後半以降の江戸の各地域の移り変わりを詳細な記述と概略図で示したもので、折り畳まれた絵図も添付されています。
展示資料は、そのうち『御府内場末往還其外沿革図書 拾八』。青山・千駄ヶ谷・原宿・代々木・渋谷・四谷・幡ヶ谷ほか(現在の新宿区・渋谷区・中野区・港区のうち)の沿革を記した本書によって、江戸時代におけるこの地域の土地利用の歴史と、嘉永3年(1850)当時の武家屋敷、寺社等の所在地がわかります。全2冊2鋪。各表紙に「御普請方 御役所控」と記され、普請方の役所に置かれていたものと推定されます。
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