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[請求番号 152-0028]

武家必擥殿居嚢(ぶけひつらんとのいぶくろ)

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幕臣として必要な知識を簡単に得られる書物を手元に置きたい。『武家必擥殿居嚢』は、そんな要望に応えて出版された書。前編が天保8年(1837)、後編が同10年に刊行。懐中可能な小型の折本(おりほん)の表裏に、江戸城の詳細な行事カレンダー、老中以下諸役一覧、服喪の規程、江戸城内や日光山の略図など、多彩な情報が収録されています。

著者は、小十人(こじゅうにん)組の旗本大野広城(おおの・ひろき 通称は権之丞、号は忍軒・忍屋隠士ほか。1788-1841)。幕府や江戸城内のさまざまな情報を載せているため、幕府を憚って著者を藤原朝臣とし、限定300部の出版である旨を記しましたが、天保12年(1841)6月、大野広城は、本書等の出版の罪で丹波国綾部(あやべ)藩主九鬼隆都(くき・たかひろ)に身柄を預けられて(「御預」)監禁され、同年、綾部の地で病死しました。

展示資料は、元老院旧蔵。全2帖。


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