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明治2年(1869)に出版された『瓠庵十種』には、栗本鋤雲の著述『鉛筆紀聞』(えんぴつきぶん)『暁窓追録』(ぎょうそうついろく)が収録されています。
『鉛筆紀聞』は、日本語を教授した(同時に自らもフランス語を教えられる)メルメ・ド・カションとの問答をまとめたもの。栗本の質問はフランスの税制や刑法、軍備、通貨、度量衡、あるいはヨーロッパにおける結婚制度や英国と植民地インドの関係など多岐にわたり、カションはそれぞれについて懇切に回答しています。
『暁窓追録』は、慶応3年(1867)から翌年にかけて滞在したパリの印象を記した書。気候や町並みから警察官や監獄の様子まで、当時のパリの有様がいきいきと綴られています。
展示資料は、教部省旧蔵。全2冊。
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