12. ウス山焼（やまやけ）善光寺役僧日記

有珠善光寺は、幕府が文化年間（1804―18）にアイヌの風俗同化政策の一環として指定した蝦夷三官寺の一つ（他の二つは厚岸（あっけし）の国泰寺と様似（さまに）の等樹院）。展示資料は同寺の役僧の日記で、有珠山の噴火が引き起こした被害の実態が克明に記録されています。たとえば2月1日には、流れ出た火砕流が草木に至るまで焼き払い、アブタ一帯は人家残らず焼失して「広々たる野原之如くに相成（あいなり）」とあり、火砕流で壊滅的な被害をこうむったアブタの惨状が目に浮かびます。全1冊。