40. 草木錦葉集
(そうもくきんようしゅう)

[請求番号 199-0353]

将軍、大名そして旗本御家人まで。江戸時代は草花を愛する武士がすくなくありませんでした。栽培される草花も、椿・菊・朝顔・牡丹・万年青などさまざま。美しさだけでなく、趣向の新しさを求めて、変わった色や形、あるいは斑(ふ)入り植物を栽培し品評する趣味も広がりました。

『草木錦葉集』は、旗本の水野忠暁(みずの・ただとし 通称は宗次郎)が著した斑入り植物の図説集。緒巻・前編・後編から成り、緒巻では斑入り愛好家の間で用いられる「通言」(特殊な用語)や各種栽培法、害虫の駆除法などを述べ、前編後編では「いろは順」に、斑入りの草木を写生図を添えて紹介しています。「む」の部で中断しているものの千点余を掲載。図のほとんどは大岡雲峰の門人、関根雲停によって描かれています。文政12年(1829)刊。

水野忠暁の先祖は知行500石でしたが、元禄年間に当主が「狂気」を理由に知行を没収され、その後はわずかな俸禄に甘んじ、役職にも就いていないようです。天保5年(1834)没。享年68。本書に見える署名「水のげんちうきやう」は、「水野源忠暁」のこと。

展示資料は、全7冊。内務省旧蔵。

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