8. 女中帳〈御伽坊主〉
(じょちゅうちょう・おとぎぼうず)

[請求番号 220-0086]

上′苳N寄から御半下まで、大奥にはさまざまな女中が勤務していましたが、その中に数名、髪を剃り坊主姿の年配の女性の姿がありました。御伽坊主と呼ばれた彼女たちの主な仕事は、将軍の子づくりのお世話をすること。将軍の伽の連絡役を務めるとともに、将軍が大奥の寝所で御中≠ニ過ごす際には、次の間に臥して、女性の言動に聞き耳を立て、御年寄に報告したと言われています。

御伽坊主はまた大奥女中でありながら、将軍の日常的な居所である「奥」(小性や小納戸ほか男性が将軍に近侍)にも足を踏み入れ、将軍とともに大奥に入る役目も務めるなど、男女の性差を超えた特異な存在でもありました。

再び『女中帳』をひらいてみましょう。栄林・栄嘉・林嘉・栄芳の4人の御伽坊主の文書が書きとめられています。このうち林嘉は文化5年(1808)に70歳で退職願を出し、栄嘉は、年齢はわかりませんが「御奉公五十年」(勤続50年)とあります。

長年大奥に奉公し、将軍のお世嗣ぎつくりのための仕事を担当した御伽坊主は、それこそ大奥の奥の奥まで熟知していたに違いありません。残念ながら彼女たちのほとんどは退職後固く口をとざし、大奥の知られざる内情を外部の人に語ることはありませんでした。

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