4. 小児必用養育草
(しょうにひつようそだてぐさ)

[請求番号 195-0153]

江戸時代の離乳期は今日より遅く、生後2、3年はほぼ母乳だけで育てる例が珍しくなかったとか。おのずと将軍家や大名旗本に限らず、商家でも乳母を雇うケースが多く、乳母の善悪の見分け方は人々重要な関心事でした。

医師の香月牛山(かつきぎゅうざん 1656―1740)が著した『小児必用養育草』(1703年序)にも、「乳母を撰ぶの説」(良い乳母の選び方)、「乳母の病によりて児子病を生ずるの説」(病持ちの乳母の乳汁を飲んだ子どもにさまざまな症状が出ること)など、乳母のお乳(乳汁)が乳幼児の健康に及ぼす影響について詳しく記されています。

展示資料の『小児必用養育草』は、正徳4年(1714)刊。全1冊。昌平坂学問所旧蔵。

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