32. 霊憲候簿
(れいけんこうぼ)

[請求番号 特006-0001]

『霊憲候簿』は、天文方の渋川景佑が幕府の命で作成した天文観測記録。観測は天保9年(1838)11月に小石川三百坂の自宅内の測量所で始まり、同13年6月以降は、九段坂上の測量で次男佑賢(すけかた)や多くの下僚の協力を得て、安政元年(1854)まで、17年間続けられました。

子午線儀・垂揺球儀・象限儀等を用いた天文観測のデータのほか、毎日の天気や気温・気圧も記録。本書によって、天保10年(1839)8月1日に観測された金環日食の記録や、江戸に3尺(約90p)の大雪が降ったといわれる天保12年12月17日の気象データも見ることができます。

渋川景佑(1787―1856)は、寛政暦を作成した天文方高橋至時の次男で、高橋景保(天文方・書物奉行)の弟。天文方の渋川家を継ぎ、天保暦を完成させました。

展示資料は、幕府への献上本で全202冊。紅葉山文庫旧蔵。

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