2. 恩賜例
(おんしれい)

[請求番号 152-0052]

薩摩姥は、8代将軍徳川吉宗(よしむね)がまだ紀伊国和歌山藩主だったとき、長男の長福(のちの9代将軍家重)と次男小次郎(のちの田安宗武)を取り上げたとされています(『校合雑記』)。薩摩姥は幕末になっても大奥に出向き分娩の世話をしていますから、歴代の薩摩姥が徳川家の御用を務めたのでしょう。

とはいえ薩摩姥とその助手だけでは、大奥のすべて出産の世話は出来なかったはずです。元禄13年(1700)から嘉永4年(1851)まで、各種「御褒美」が下された例を記録した『恩賜例』には、薩摩姥のほかにも「産婆」が登場します。「安野姥」「いつみ」(和泉)「よつ」「きん」「三崎姥」等々。

さてその報酬は? 彼女たちは正月・寒中・歳暮ほか折々に祝儀を頂戴しており、暮らし向きはたいそう裕福だったと想像されます。展示資料は、全114冊。紅葉山文庫旧蔵。

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