3. 諸向地面取調書
(しょむきじめんとりしらべしょ)

[請求番号 151-0246]

幕府御用達の助産婦の存在は、幕府の屋敷改が作成した『諸向地面取調書』という資料からもうかがえます。

『諸向地面取調書』は、安政3年(1856)当時、大名や幕臣等が江戸市中に所有していた屋敷地の場所や坪数などの調査書。

同書にはまた幕府の御用を務めた「町人」の「拝領町屋敷」(敷地内に長屋などを建て家賃を取ることを認められた拝領地)も記載され、「子安婆々より七代目 市兵衛」と「相模婆々七代目 くら」がそれぞれ拝領町屋敷を所持していたことがわかります。「子安婆」は産婆のこと。相模婆もやはり幕府の出産御用を務めたのでしょう。安政3年の時点では、相模婆の7代目の「くら」はともかく、市兵衛の場合はすでに廃業していたのかもしれません。それでも湯島6丁目に138坪余の拝領町屋敷を所持していたのは、代々幕府の御用を務めた功績によるものと思われます。

展示資料は、全23冊。内務省旧蔵。

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