Ⅱ.妖しきものたちの平家物語
武士たちのドラマの背後に、暗躍する怨霊・天狗・魑魅魍魎——
平家物語には教科書にも掲載される有名なエピソードのほか、奇妙で不思議な逸話も多く収められています。この章では平家物語の陰に蠢く妖しき”モノ”たちの姿に迫ります。
清盛の死
【刊年】明暦2年(1656)
【刊行者】未詳
展示資料は『平家物語』の絵入り本の中では最初期のもの。元々挿絵はなかったが、読者層の広がりに伴って挿絵を補って再び出版されたと考えられる。全7冊。教部省旧蔵。
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【刊年】未詳
【刊行者】未詳
展示資料は『平家物語』の異本のひとつ『源平盛衰記』の版本で、漢字片仮名交じりの本文を持つ。全48巻24冊。内務省地理局(地理局地誌課)旧蔵。
源義仲(1154~1184)
幼少時に父の義賢(?~1155、頼朝の叔父)を殺され、木曾の豪族中原氏のもとで養育されたことから「木曾義仲」と称されます。
以仁王の令旨に呼応して挙兵、上洛。朝日将軍と称されて実権を握りますが、範頼・義経の軍勢に追討され、近江国粟津(現在の滋賀県大津市)で敗死しました。『平家物語』中盤の主要人物で、情の深い人物として描かれる一方、粗野・粗暴な姿を強調して描かれます。
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